最近ニュースやSNSで「関税」という言葉をよく耳にするようになりました。
特に海外との取引や物価の話題で出てくることが多いですよね。
この記事では、関税とは何かをわかりやすく解説し、関税が高いとどうなるか、低いとどうなるかを具体例を交えて説明していきます。
さらに、関税と一緒に注目すべき他の税金やキーワードもあわせて紹介します
関税とは?
関税(かんぜい)とは、外国から輸入した商品に対してかけられる税金のことです。
つまり、「海外の商品が日本に入ってくるときに払うお金」ですね。
この関税は、国がさまざまな目的で設定しています。
主な目的はこの3つ
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国内の産業を守るため
→ 海外から安い商品が大量に入ってくると、国内の企業が太刀打ちできなくなることがあります。関税をかけて海外品を割高にすることで、国内企業を守ろうとします。 -
税収を得るため
→ 国の収入の一部になります。 -
外交・政策的な調整
→ 他国との関係性を調整するために、関税を高くしたり、逆に無くしたりすることもあります(これを「自由貿易協定」などといいます)。
関税が高い場合の例
例えば、日本にアメリカから牛肉を輸入する場合を考えてみましょう。
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アメリカ産の牛肉:1kgあたり1000円
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日本政府が関税を50%かけているとすると、1kgあたり+500円
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消費者が買うときは 1500円 になります
これだと、アメリカ産は割高になるため、消費者は国産牛や他国の牛肉を買うかもしれません。
国内の畜産業は守られますが、消費者にとっては高くなるデメリットもあります。
関税が低い(またはゼロ)の場合の例
次に、関税がゼロの場合を見てみましょう。
日本とオーストラリアの間には「EPA(経済連携協定)」があり、牛肉の関税が段階的に下がっています。
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オーストラリア産の牛肉:1kgあたり900円
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関税が0%なら、そのまま 900円 で買える
こうなると、消費者にとっては安く買えて嬉しいですね。
ただし、国内の生産者にとっては、安い輸入品と競争しなければならないというプレッシャーがあります。
まとめ
| 関税 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 高い | 国内産業を守れる | 輸入品が高くなり、消費者の負担増 |
| 低い/ゼロ | 輸入品が安くなり、消費者にメリット | 国内産業が競争にさらされる |
他にも注目したい経済・税金ワード
1. 消費税(しょうひぜい)
私たちが買い物をするたびにかかる税金です。
日本では現在 10%(一部軽減で8%)。
・商品やサービスの「消費」に対して広く公平にかけられています。
・国内で使うお金に対して課税されるもので、関税とは別物です。
2. 酒税(しゅぜい)
お酒にかけられる特別な税金。
・ビールや日本酒、焼酎など、それぞれに税率が異なります。
・酒税が高いと、お酒の値段が上がる仕組み。
3. たばこ税
たばこにかかる税金。
・健康面の影響もあるため、税率は高めに設定されています。
・一箱のうち、実は半分以上が税金です。
4. 輸入消費税
関税とは別に、輸入品に対しても消費税がかかります。
・例えば、海外通販で1万円以上のものを買うと、関税 + 消費税がかかることがあります。
5. FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)
特定の国と「関税を下げよう」「経済をスムーズにしよう」と決めた協定のこと。
・例:日本とオーストラリアのEPA → 牛肉の関税を段階的に引き下げ
・消費者にはメリットがあるが、国内産業への影響もある
6. 輸出入規制
国によっては特定の商品に関税以外の「制限」をかけることもあります。
・例:特定の武器や先端技術の輸出禁止
・経済制裁などにも使われます
まとめ
最後に
「関税」やその他の税金は、一見むずかしそうに見えますが、実は私たちの生活に密接に関わっているものばかりです。
今後、ニュースで「○○との関税引き下げ交渉が始まった」「たばこ税の引き上げ検討」などの話題を見かけたときは、
「これって自分の生活や買い物にどう関わってくるんだろう?」と考えてみると、経済ニュースがちょっと面白く見えてくるかもしれません。